はじめに
債券投資において、インフレと為替変動が実質リターンに及ぼす影響をシミュレーションした上で、私の投資方針を説明します。
インフレ下で要求される利回り
物価上昇率2%のインフレが進行する場合、10年間の物価水準の推移は、以下の通りです。
現在を100とすると、10年後の物価水準は121.90です。
この物価水準の推移へ対応するためには、2.19%の利回りが要求されます。
現在(2025年11月)、10年物の個人向け日本国債(第188回)の税引後利回りは、約0.88%です。
個人向け日本国債のみでは、物価上昇率2%のインフレへ対応できないです。
為替変動が及ぼす影響
外貨建て債券は、個人向け日本国債よりも高い利回りが得られます。
一方、為替変動が円換算後利回りに直接影響を及ぼします。
利回り3.5%の米ドル建て債券を1ドル155円で購入した場合、10年後の円換算後利回りは、為替水準により、以下のように変動します。
1ドル140円で2.19%となり、物価上昇率2%のインフレに対して、実質リターンがゼロになります。
一方、円貨建て債券に関して、表面リターンは為替変動の影響を受けないです。
しかし、円安となった場合、物価上昇を招き、実質リターンが低下します。
債券をポートフォリオの一部に組み入れる意味
債券は、発行体が債務不履行に陥らない限り、償還日までホールドすれば、対象の通貨建てで約束された表面リターンが得られます。
外貨建て債券は、物価上昇2%を上回る表面利回りに加えて、円安となった場合のリスクヘッジが期待できます。
一方、円貨建て債券は、円高となった場合のリスクヘッジが期待できます。
債券をポートフォリオの一部に組み入れることで、リスク分散が期待できると思います。
まとめ
私は、株式をメインにしつつ、個人向け日本国債と外貨建て債券をポートフォリオの一部に組み入れ、リスク分散を図っています。


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