はじめに
2024年からスタートする新NISAに関して、現行NISAの資産移行をどうするか、について検討します。
現行NISAからのロールオーバーは不可
金融庁のサイトでは、「現行制度から新しい制度へのロールオーバーは不可」と明記されています。
現行NISAの資産について
私は、一般NISAにて株式投資を行っています。
保有銘柄の内訳は、下記の投稿で紹介していますので、よろしければ参照して下さい。
現行の一般NISAでの資産に関して、2024年の新NISAスタート後、選択肢は以下の通りだと思います。
・非課税期間内に売却して、新NISAで再買付を行う
・非課税期間の終了後もホールドする(終了後、配当金や売却益が課税対象になる)
非課税と課税でのリターン差に関して、私が投資対象にしている伊藤忠商事でシミュレーションします。
なお、下記の投稿で、伊藤忠商事に関して、銘柄選択の実践例を紹介していますので、よろしければ参照して下さい。
非課税と課税でのリターン差 インカムゲイン
伊藤忠商事の配当利回りは以下の通りです。
配当利回り(予想) |
---|
3.38% |
年間の配当利回りを3.38%として、以下の計算式でシミュレーションを行います。
項目 | 計算式 |
---|---|
元本 | 1で固定 |
資産の想定倍数(非課税) | 前年の資産+前年の資産×3.38% |
資産の想定倍数(課税後) | 前年の資産+前年の資産×3.38%-前年の資産×3.38%×税率20.315% |
10年後の資産の想定倍数 | 10年後の収益率 | |
---|---|---|
非課税 | 1.338倍 | 34% |
課税後 | 1.3301753倍 | 33% |
インカムゲインに関して、非課税/課税でリターン差があまりないと思います。
非課税と課税でのリターン差 キャピタルゲイン
伊藤忠商事の株価指標は以下の通りです。
予想PER | 株価 | 予想1株当り利益 |
---|---|---|
7.6倍 | 4,146.0円 | 544.5円 |
将来のキャピタルゲインをシミュレーションします。
まず、想定する10年平均成長率を設定します。
現在の10年平均成長率である10.6%を採用します。
当期利益 | |
---|---|
10年平均成長率 | 10.6% |
以下のような計算式で、株価シミュレーションを行います。
項目 | 計算式 |
---|---|
利益の想定倍数 | 現在を1として、前年の倍数+前年の倍数×10年平均成長率 |
想定する1株当り利益 | 現在の予想1株当り利益×利益の想定倍数 |
現在のPERでの予想株価 | 想定する1株当り利益×7.6 |
10年後の予想株価 | 10年後の予想損益 | 10年後の課税額 |
---|---|---|
11,355円 | 7,209円 | 1,464円 |
10年後の受取金額 | 10年後の収益率 | |
---|---|---|
非課税 | 11,355円 | 174% |
課税後 | 9,891円 | 139% |
※あくまでも、想定に基づくシミュレーションであり、必ずしも将来を保証するものではありません。
キャピタルゲインに関して、非課税/課税でリターン差が大きいと思います。
今後の方針
現行NISAの資産移行に関して、以下の方針を検討しています。
・可能な限り、非課税期間内に売却し、新NISAで再買付を行う
・可能な限り、新規資金を含めて、新NISAの年間投資枠に収める
なお、2023年は、現行の一般NISAでの買付を継続する方針です。
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