はじめに
株式投資において、私が財務諸表の分析に活用している、メアリー・バフェット、デビッド・クラーク著「バフェットの財務諸表を読む力」を紹介します。
本書の概要
本書では、永続的競争優位性を持つ企業を見つけ出すために、財務諸表をどのように読めばよいか、を解説しています。
私自身、長期的な競争優位性が期待できる企業を対象に、バイ・アンド・ホールドする投資を目指しています。
分析対象の項目を洗い出す
私自身、個別銘柄への投資を行う中で、財務諸表を読んで、数値上の裏付けをする必要性を実感しています。
数値上の裏付けが不十分で、損切りすることになった失敗事例もあります。
過去数年間の有価証券報告書に記載されている財務諸表により、分析対象の数値をExcelに入力し、具体的な数値を見ながら分析する手法を採用しました。
本書を参考に、入力対象にしている数値の例は、以下の通りです。
入力対象の数値(例) | 有価証券報告書のどこを参照すればよいか |
---|---|
売上高 | 連結損益計算書 |
売上原価 | 連結損益計算書 |
売上総利益 | 連結損益計算書 |
販売費及び一般管理費 | 連結損益計算書 |
営業利益 | 連結損益計算書 |
支払利息 | 連結損益計算書の営業外費用 または、営業活動によるキャッシュフロー |
減価償却費 | 営業活動によるキャッシュフロー |
研究開発費 | 「事業の状況」の「研究開発活動」 |
また、下記の項目を計算式で算出しています。
・売上総利益率
・営業利益率
・売上総利益に対する販売費及び一般管理費
・売上総利益に対する減価償却費
・売上総利益に対する研究開発費
・営業利益に対する支払利息
なお、有価証券報告書は、過去10年間分、金融庁のEDINETで参照できます。
EDINET
EDINETの閲覧サイトです。有価証券報告書、有価証券届出書、大量保有報告書、公開買付届出書等の開示書類を閲覧できます。
日本企業での実践例ー売上総利益に対する研究開発費
セクターによっては、研究開発を継続することが、競争力を維持するための条件になっています。
信越化学工業も、そのセクターに属していると思います。
一方、財務諸表を分析した結果、高い水準の売上総利益により、低い比率で、競争力の維持に必要な研究開発費を賄えていると判断しています。
銘柄選択の実践 信越化学工業
個別銘柄の選択に関して、私が投資対象としている信越化学工業で実践例を紹介します。
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