はじめに
過去、損切りしたものの、再度、投資対象へ追加することにしたトリケミカル研究所に関して、銘柄選択の実践例を紹介します。
有望そうな企業
私は、トリケミカル研究所に関して、半導体材料のニッチな分野で、独自の強みを持っていると考えています。
小型株ならではの成長性が期待できると思っています。
売上高
売上高の推移は、以下の通りです。
2026年1月期の会社予想は、2025年1月期の決算短信を参照しています。
2024年1月期が前年比で落ち込んだものの、右肩上がりで増えています。
売上総利益率と営業利益率
売上総利益率と営業利益率の推移は、以下の通りです。
売上高が落ち込んだ2024年1月期に関して、パフォーマンスが低下しています。
一方、多品種少量生産にもかかわらず、高い水準を維持していると思います。
売上総利益に対する研究開発費の比率
売上総利益に対する研究開発費の比率は、以下の通りです。
比率を計算するにあたり、研究開発費は、有価証券報告書の研究開発活動を参照しています。
競争力を維持するのに、一定の研究開発費が必要なセクターだと思います。
売上総利益に対して、適切な水準に収まっていると思います。
営業利益に対する支払利息の比率
営業利益に対する支払利息の比率は、以下の通りです。
極めて低い水準です。
自己資本比率が85.5%(2025年1月期)であることと合わせて、健全な財務状況だと思います。
キャッシュフロー
キャッシュフローは、以下の通りです。
2021年1月期は、フリーキャッシュフローがマイナスになっています。
営業活動での収入に加えて、借入により資金を調達し、投資に充てたと思われます。
2021年1月期以外は、フリーキャッシュフローがプラスである一方、投資活動によるキャッシュフローがマイナスとなっています。
営業活動で稼いだ収入の範囲内で、しっかりと投資できていると思います。
ROEと株価指標
2025年1月期のROEは、以下の通りです。
当期純利益 | 自己資本 | ROE |
---|---|---|
4,961,998千円 | 31,587,684千円 | 15.7% |
株価指標は、以下の通りです。
株価 | 1株当たり当期純利益(会社予想) | 予想PER | 1株当たり純資産 | 実績PBR |
---|---|---|---|---|
2,732円 | 153.86円 | 17.8倍 | 972.02円 | 2.81倍 |
1株当たり当期純利益(会社予想)と1株当たり純資産は、2025年1月期の決算短信を参照
ROEに対して、PBRが適正な水準か参考にするため、自己資本とROEに基づく成長シミュレーションを行います。
ROEから算出した利益から配当性向を差し引いた分が、自己資本として蓄積されていくシミュレーションです。
配当性向は、2025年1月期の実績を参考に、20%を想定しています。
10年後、自己資本は、現在の3.27倍になる計算です。
※あくまでも、想定に基づくシミュレーション結果であり、将来を保証するものではありません。
2.81倍のPBRに対して、正当化できる水準だと思います。
まとめ
売上高が着実に増えていることへ加えて、各種指標により、利益成長の持続性が期待できると判断しています。
現在の株価に関して、成長性に照らして、適正な水準だと思います。
※あくまでも私の判断であり、必ずしも正しいとは限りません。
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